日本巫女史/第一篇

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日本巫女史

第一篇 固有呪法時代[編集]

  • 第一章 原始神道に於ける巫女の位置
    • 第一節 我国に於ける神の発生と巫女
      神の始めの相はデーモン—病魔から死魔へ—諾尊の神業と呪術—呪物が示した古代の食料—デーモンからスピリットへの過程—神聖観念としての我国の稜威—個人的の精霊から社会的の神への発達—その中間の部族の守護神—我が古代の社会は呪術集団が単位である
    • 第二節 我国に於ける巫女の発生
      我国の呪術先行論と宗教先在説—呪術よりは宗教的意識が先きに在る—巫女の始めは菊理媛命—家族的巫女と職業的巫女—オナリは家族的巫女—古代の女性は悉く巫女的生活を営む—琉球に残りしオナリ神信仰
    • 第三節 巫女教としての原始神道
      原始神道とシャーマン教—山路愛山氏の卓見—併し原始神道はシャーマン教その儘ではない—古神道に現われた国民性—祖先崇拝と神の御杖代
    • 第四節 原始神道及び古代社会と巫女との関係
      魏志の倭人伝に載せた卑弥呼—卑弥呼は倭媛か神功皇后か—それよりは更に古代の女酋—倭人国に於ける主権者と巫女との関係—祭政一致の標本である
    • 第五節 古代人の死後生活観と巫女の霊魂観
      霊魂不滅は古代からの信仰—霊と肉との二元観—荒魂、和魂、幸魂、奇魂—是等に対する先覚の研究と私見—巫女の生口と荒魂—同じ死口と和魂—巫女の神口と幸奇の二魂
  • 第二章 巫女の呪術の目的と憑き神
    • 第一節 巫女の行いし呪術の目的と種類
      巫女の呪術の目的—第一は自然を制御し又は支配すること—第二は神又は精霊を善用し悪用し又は征服すること—第三は霊魂を鎮め又は和めること—第四は未来を洞察して招福除災すること—此の目的を遂行するための諸種の呪術
    • 第二節 巫女の有せる憑き神の源流
      憑き神は呪術の原動力—民俗学的に見た我国の神々の発達—氏神から国家神—壱岐に残ったヤボサ信仰—ヤボサは墓地—墓の土が呪力の源泉—尾先狐も犬神も元は巫女の憑き神
  • 第三章 巫女の用いし呪言と呪文
    • 第一節 古代人の言霊信仰と其過程
      呪言と呪文との区別—言語の有した威力—言語のタブーと忌詞—善言と悪言—寿辞と凶辞—言霊の幸う国—言霊学の正体
    • 第二節 祝詞の呪術的分子と呪言の種類
      祝詞の本質は呪文—祝言から祝詞へ—呪言より呪文へ—トゴヒ—ノロヒ—カジリ—ウケヒ—オヨヅレゴト
    • 第三節 言霊の神格化と巫女の位置
      我国最古の呪術は太占—太占と巫女—太詔戸命は言霊の神格化—天津祝詞の太詔詞とは何か—これに関する先覚の研究—類聚神祇本源に載せた太詔詞の解釈—太詔詞は呪文に外ならぬ—太詔戸命と亀津比女命との関係—亀津比女は即ち巫女である
    • 第四節 宣託と祝詞と巫女の関係
      祝詞の発生は神から人への宣命—それが今では反対に人から神への願文—祝詞は即ち詔命—祝詞と託宣との関係—神語は託宣—後世まで残った返し祝詞の意義
  • 第四章 巫女の呪術に用いし材料
  • 第五章 巫女の作法と呪術の種類
    • 第一節 巫女の呪術的作法
      種々なる作法も今は伝わらぬ—その中で逆手を打つこと—跳躍することだけは明白に知られる
    • 第二節 顕神明之憑談としての呪術
      天磐戸前の鈿女命の動作—巫女としての最古の記録—神遊びとは何か—天照神の磐戸隠の真相—死者の面を見ては遊ぶ民俗—あな面白の語義は即ちこれ
    • 第三節 鎮魂祭に現われたる呪術
      生魂に対する鎮魂祭—死霊に対する鎮魂祭—猨女君の伝統と比自岐和気の伝統—鎮魂と招魂との区別—文字で区別されても実際は—鎮魂と復との関係—鎮魂祭に唱える呪文—平田翁の宮比神伝記と翁一流の解釈
    • 第四節 憑るべの水系の呪術
      水の有てる神秘—久延毘古の神と観水呪術—白鳥庫吉氏の卓見—憑るべの水とは何か—神功皇后の観水呪術—観水呪術から水晶呪術へ—南宮神社の剣珠と神功皇后—水鏡天神の由来—小野小町の姿見池と和泉式部の化粧水の考証—熱田神宮の揚貴妃の正体—菖蒲前も又巫女である—九州に残った巫女の水占い
    • 第五節 性器を利用した呪術
      我国の性器崇拝は神代から—天鈿女命先ず其の範を示す—古語拾遺に載せたオバセカタ—祭式舞踊に現われた性器崇拝の俗信—陰毛の長い神と生命の指標としての毛髪
  • 第六章 巫女の性格変換と其の生活
    • 第一節 神人生活と性格の変換
      巫女は独身を原則とする—卑弥呼に夫婿なきも是れが為め—伊勢神宮の子良と母良—鹿島神宮の御物忌—竹野社の斎女—巫女は神と結婚—白羽の矢の原義は何か
    • 第二節 人身御供となった巫女
      人身御供は何故に女性に限るか—人身御供は考古学的にも証明出来る—巫女が人身御供になる理由と其の例証—機織池伝説の由来と巫女—オサメというは巫女の名
    • 第三節 巫女の私生活は判然せぬ
      古代の巫女の修行や師承関係や収入などは一切判然せぬ—勿論これは著者の寡聞の罪だが致し方がない—神社附属の神子と村落に土着した市子—詳細の研究は後賢に俟つ
  • 第七章 精神文化に於ける巫女の職務
    • 第一節 神その者としての巫女
      巫女の発生はオナリ神—オナリは神その者である—天照神の民俗学的研究は無条件では許されぬ—琉球久高島のノロの神としての生活—折口信夫氏の記事により卑弥呼の再吟味—民族国家の成立と巫女の関係—古代の家族相婚と同胞の位置—妻のことを吾妹子という理由
    • 第二節 司祭者としての巫女
      神々の向上と巫女の退化—巫女は神託を宣べるときだけが神となる—墓前祭と巫女の職務—巫祝をハフリと称する原義—屍体を屠るは巫女の役目—ハフリは屠りに外ならぬ—内地の支解分葬の実例とアイヌ族のウフイ—夢によって知った霊魂の所在—瓢型墳の由来と瓢を魂の容れ物とした俗信—霊魂の神への発達と巫女—人家七世にして神を生ずる事—土佐で行われたタテ食えの神事—我国の紋章の起原とアイヌの神標—人が神となったことを知る民俗—琉球に存したマブイワカシと内地の口寄せ—社前祭と巫女の職務—巫女が軽視されて覡男が重用された過程
    • 第三節 霊媒者としての巫女
      神を招き降ろす方法—日本紀に現われた神功皇后の御事蹟—征韓のために神意を問われた作法—神主の古い意味—神主は直ちに神実である—信州諏訪社の大祝—出雲大社の国造—琴と鈴の音は神の声—神依板は琴の代用品—審神とは後世の巫女の問口—我国最古の神降ろしの呪歌—託宣は韻文的の律語で表現される
    • 第四節 予言者としての巫女
      予言は巫女の重要なる職務—狭義には神が憑ってする予言—広義には他人の歌謡や行動を見聞してする予言—崇神紀に載せた百襲姫命の御事
    • 第五節 文学の母胎としての巫女
      和歌は天にしては下照姫に始まると貫之が言うたが—その下照姫は巫女であった—我国の文学は巫女が開祖—神託は古く歌謡体であった—その例証は沢山に残されている—叙事詩の古いものが一人称である理由—即ち神として宣べたからである—アイヌのユカラでも琉球のオモロでも同じである
    • 第六節 民俗芸術者としての巫女
      舞踊者としての巫女—俳優の始めは鈿女命の所作に始まる—ワザオキの神事上の意義—木偶遣いとしての巫女—肥前風土記に見えた人形—巫女の外法箱に秘めた人形—黥面文身の施術者としての巫女—神の名によって行われた民俗
  • 第八章 物質文化に於ける巫女の職務
    • 第一節 戦争に於ける巫女
      アイヌ族も戦争には女が従う—琉球には女は戦の魁という諺がある—内地でも戦争に巫女は附きもの—物部氏と巫女との関係—武士をモノノフと云う原義と物識りの由来—戦争の前途を占う巫女—敵兵を呪詛する巫女—士気を鼓舞する巫女—武力の戦いの先に呪力の戦い—御陣女臈としての巫女—桂姫の陣中における任務
    • 第二節 狩猟に於ける巫女
      我国にも狩猟時代はあった—民間信仰の山ノ神の正体—三河に残るシャチナンジは女神で狩人の守護神—琉球に在るウンジャミ祭と巫女—鹿待つ君が斎い妻—動物に扮する踊りの起原
    • 第三節 農業に於ける巫女
      穀神を殺した古代人の信仰—豊宇賀能売命は巫女か—穀神へ人身御供を捧げる—オナリとしての奇稲田媛—原始農業と女子の位置—農業の神事とトツギ祭—穀神の犠牲となるオナリ—穀神に対する古代人の態度—オナリと嫁殺し田の関係—田植に行う泥かけの意義
    • 第四節 医術者としての巫女
      我国のクスリの語原と巫女—呪術による医療と薬剤を用いる医療—身体を刺傷する医療的呪術—物件を封結する医療的呪術—病魔を驚厭する医療的呪術—神霊の力で病魔を駆除する呪術—供物を薬用とした医療的呪術—薬剤を用いた医療的呪術
    • 第五節 収税者としての巫女
      男の弓端の調と女の手末の調—ヌサの起原は納税—ミテグラも又それである—巫女の収税はヰヤジリの名で行われた—荷前の制度と収税の関係
    • 第六節 航海の守護者としての巫女
      持衰と婦人との関係—焼火明神の由来と巫女—御船の神事と巫女—船霊信仰と巫女—水市社前に売卜の巫女