日本巫女史/第二篇

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日本巫女史

第二篇 習合呪法時代[編集]

  • 第一章 神道に習合せる道仏二教
    • 第一節 巫女の呪術に現われたる道教の影響
      日韓は同祖であり同域である—日支の交通も太古から—姓氏録に載せた夥しき蕃別—古神道に織り込まれた支那上代の信仰—道教思想に養われた呪術—仁徳紀に見えた招魂の記事—巫蠱の輸入と呪術の深刻化—巫女の呪具と道教の影響—巫女の梓弓は外来の呪法—人骨を用いるは巫蠱の思想—複雑せる識神の正体—巫女の間に行われた湯立
    • 第二節 巫道に影響した仏法の教相と事相
      奈良朝の本地垂跡説—平安朝の神仏一如の信仰—法師巫という巫仏一体の者現わる—巫道に交渉深い台宗と密宗—仏教の促成せる巫女の二潮流—霊魂観の進歩と口寄せ呪術の発達—養老令に見えた僧尼の禁巫—巫女の守護神から帰依仏への過程—後ろ仏とは何か—我国における十三仏の考覈—巫女の縛と不動のから縛—シャーマンの呪法に似通う—仏の供養を巫女が営む—奥州の三崎はなしの民俗—巫女の呪具に現れたる仏教的要素—イラタカの珠数と珠数占—ミコ鳥と時鳥の習合—地蔵経は我国の偽作
  • 第二章 修験道の発達と巫道との関係
  • 第三章 巫女の信仰的生活と性的生活
    • 第一節 巫女を中心として見たる神々の起伏
      琉球神のイベ名の研究—ノロは神の名を創作する—我が内地には斯かる事はないか—琉球における神の高下とノロの関係—八幡社は我国第一の託宣好き—奈良の手向山八幡宮の縁起—地方神から全国神へ
    • 第二節 巫女神信仰の由来と巫女の位置
      神名帳に現われた巫女神—同帳に載せた御子神—御子神と若宮との関係—合理化そうとする若宮出現の解釈—鹿島神三十余裔の御子神を如何にする—神母と巫女—神妻と巫女
    • 第三節 社会相に現われたる巫女の勢力
      新知識の山上憶良と巫祝—大政治家の吉備真備と巫覡—政治方面における巫女の勢力—軍事方面における巫女の勢力—信仰方面における巫女の勢力—桓武帝の崩御を予言した巫女—鬼道を悦んだ民間の帰趨
    • 第四節 巫女を通じて行われた神の浄化
      上代における神と仏の歩み合い—超道徳的であった我国の神々—それが道徳的に浄化された過程と仏教の関係—その浄化の役目を勤めたのが巫女—これが日本霊異記以来の伝統的の運動
    • 第五節 神妻より巫娼への過程
      一夜妻の正体—祭礼の夜だけ神に占められる家族的巫女—一時女臈と一夜官女—琉球のイザイホウと称する処女の試験法—筑摩の鍋被り祭も元はこれ—民間伝承に残った西行橋の由来—巫娼の宗家であった猨女君—浮世の果は皆小町の采女達—乙女は悉く娼婦たりし民俗—琉球に残存せる巫娼の伝説と事実—神社中心に発達した遊郭—神社の祭礼に遊女の参加する理由—神に祭られた巫娼と遊女—此の遺風は熊野比丘尼に残る
    • 第六節 采女制度の崩壊と巫女の堕落
      藤原氏の放漫政策と采女の廃止—支配階級の放縦と民衆の困憊—国造と神主の漁色と制禁—巫女の堕落と巫部連の改姓問題—巫女漸く社会から軽視さる
    • 第七節 女系相続制と巫女堕落の関係
      巫女堕落の四原因—時勢と環境とが淫靡であったこと—巫女の信仰が衰えたこと—給分を失い収入の減じたこと—女系相続を強いられたこと—独身を原則とした巫女には子の無い筈—姪に譲る掛馬式の相続法—神に占められる為めに親子の縁切り—童貞受胎の真相は是れ—亭主は有れども無きが如し—巫女の性生活が一番厄介な問題である
  • 第四章 巫女の漂泊生活と其の足跡
    • 第一節 熊野信仰の隆替と巫道への影響
      海内の信仰を集めた熊野神—今に残る蟻の熊野参りの俚諺—熊野神が民間信仰を集めた理由—馴子舞の蔭に隠れた熊野巫女の活躍—絵解き比丘尼から売り比丘尼へ—全国の津々浦々まで足跡を印す—女ならでは夜の明けぬ国
    • 第二節 笈伝説に隠れた巫女の漂泊と土着
      身体が遽に重くなる—民間に今も行われるおもかるさん—力学では説明の出来ぬ問題—神の啓示と巫女の土着—巫女が草分した二三の村落—飛騨の牛蒡種もその一例
    • 第三節 漂泊巫女の代表的人物八百比丘尼
      正体の知れぬ八百比丘尼の解剖—林道春の白比丘尼がそれ—室町期に大成された巫女の長寿伝説—足跡天下に普き不思議の人物—手に持った椿は巫女の標識—白比丘尼とはオシラ比丘尼なり
  • 第五章 呪術方面に現われた巫道の新義
    • 第一節 巫蠱から学んだ憑き物の考察
      憑き物と持物筋—オサキ狐クダ狐ジン狐など—狐崇拝と吒吉尼の邪法—蛇神託とトウビョウ—トウビョウは蛇か狐か所で違う—犬神と猫神と狸神—一向宗のオシロ灰—本願寺も飛んだ迷惑—牛蒡種と吸い葛—巫女が恐れられた理由—捜神記と我国の憑き物
    • 第二節 奥州に残存せるオシラ神の考察
      民俗学会の久しい宿題—オシラ神に関する伝説—オシラ神の神体と装束—オシラ神の語原と其の分布—オシラに就いての五説—オシラ神は古く全国的に存していた—オシラ神のアイヌ説は考えもの—オシラ神は呪神ではない
    • 第三節 性器利用の呪術と巫女の異相
      原始的な毛髪信仰—カカシの語原—陰毛の有てる呪力—藤原道長も是れには驚く—各地に存した七難の揃毛—陰毛の長かった水主明神—仁王信仰と七難即滅の思想—異相は常に神秘を伴う
    • 第四節 巫女の間に用いられた隠語
      隠語は流派で異ると思うが判然せぬ—二三の文献に見えた隠語—巫女は必ず隠語を用いる—是等の隠語の工夫された時代
  • 第六章 巫女の社会的地位と其の生活
    • 第一節 歌舞音楽の保存者としての巫女
      歌占の発達と巫女の詩人的素養—平家物語と安居院神道集—謡曲の題材となった歌占—複雑せる巫女と傀儡女との交渉—新猿楽記の一節—巫女と遊女と傀儡女とは異称一体—巫女の手から鼓を奪った遊女—足柄の神歌と遊女
    • 第二節 巫女の給分と其の風俗
      神和系の神子の収入は判然するも—口寄系の市子は皆目知れぬ—延喜式に見えた御巫の給分—神鳳抄に載せた子良の粮料—定期の給分よりは臨時の収入が多い—大社附属の神子の生活は裕福であった—鹿島宮の物忌が田一町の寄進—小社の神子は米塩にも事欠く—吾妻鏡に見えた神子所領の条々—巫女の風俗と放ち髪の自由
    • 第三節 巫女の流せる弊害と其の禁断
      皇極紀に記した巫覡の詐謀—奈良朝における妖巫の跋扈—私教類聚に見えた詐巫の弊害—平安朝には禁巫の法令頻りに降る—野火焼いて尽きず春風吹いて又生ず—巫女の根絶せぬ理由—鎌倉期以降は為政者も遂に匙を投ず