「日本巫女史/総論/第四章」の版間の差分

提供:Docs
ナビゲーションに移動 検索に移動
(未見曾識)
 
(他の1人の利用者による、間の1版が非表示)
5行目: 5行目:
==第四章 巫女史の材料と其採集方法==
==第四章 巫女史の材料と其採集方法==


巫女史は、各種の学問に関係を有しているので、その材料の如きも、寧ろ多きに過ぎはせぬかと予想したのであるが、され、それ等の材料を蒐集して見ると、此の予想は全く裏切られて、却ってその乏しきに一驚を喫した。これは勿論、私の寡聞と、尚渉猟の足らぬことに由来するのであるが、今のところでは奈何にもすることが出来ぬので、不十分な材料を以て、自ら揣らず、敢て此の稿を起した。而して私が、本史に採用した材料は、(一)巫女の遺跡から得たもの、(二)巫女の使用した遺物から得たもの、(三)巫女に関する記録、(四)学友に設問して得たる報告又は談話、(五)巫女に関する慣習等であった。以下これに就いて、猶お詳しく記述したいと思う。
巫女史は、各種の学問に関係を有しているので、その材料の如きも、寧ろ多きに過ぎはせぬかと予想したのであるが、さて、それ等の材料を蒐集して見ると、此の予想は全く裏切られて、却ってその乏しきに一驚を喫した。これは勿論、私の寡聞と、尚渉猟の足らぬことに由来するのであるが、今のところでは奈何にもすることが出来ぬので、不十分な材料を以て、自ら揣らず、敢て此の稿を起した。而して私が、本史に採用した材料は、(一)巫女の遺跡から得たもの、(二)巫女の使用した遺物から得たもの、(三)巫女に関する記録、(四)学友に設問して得たる報告又は談話、(五)巫女に関する慣習等であった。以下これに就いて、猶お詳しく記述したいと思う。


* [[日本巫女史/総論/第四章/第一節|第一節 巫女の遺跡的材料]]<br /><small>集団生活地たる巫女村—信州の禰津村は日本一—大阪の天王寺と江戸の亀井戸—巫女が開拓した村落—これも決して尠く無い—巫女関係の神社と寺院—巫女の化石伝説</small>
* [[日本巫女史/総論/第四章/第一節|第一節 巫女の遺跡的材料]]<br /><small>集団生活地たる巫女村—信州の禰津村は日本一—大阪の天王寺と江戸の亀井戸—巫女が開拓した村落—これも決して尠く無い—巫女関係の神社と寺院—巫女の化石伝説</small>
* [[日本巫女史/総論/第四章/第二節|第二節 巫女の遺物的材料]]<br /><small>巫女の使用した遺物—外法箱と梓弓—イラタカの珠数と切り珠数—巫女に関する墓碑—常人と異る法名—巫女の呪言を留めた蓄音器のレコード</small>
* [[日本巫女史/総論/第四章/第二節|第二節 巫女の遺物的材料]]<br /><small>巫女の使用した遺物—外法箱と梓弓—イラタカの珠数と切り珠数—巫女に関する墓碑—常人と異る法名—巫女の呪言を留めた蓄音器のレコード</small>
* [[日本巫女史/総論/第四章/第三節|第三節 巫女の記録的材料]]<br /><small>直接的と間接的との史料—巫女に関する雑誌と新聞の記事—未見曾識の学友から集めた資料—持つべき者は友人だ</small>
* [[日本巫女史/総論/第四章/第三節|第三節 巫女の記録的材料]]<br /><small>直接的と間接的との史料—巫女に関する雑誌と新聞の記事—未見曾識の学友から集めた資料—持つべき者は友人だ</small>
* [[日本巫女史/総論/第四章/第四節|第四節 巫女に関する習慣的材料]]<br /><small>巫女自身に関する慣習—女性は霊媒者たる素質を有す—盲女と巫術—女子相続制の起原—巫女の性的方面に関する慣習—巫女は神と結婚するのが原則—随って良人は持てぬ筈—神寵の衰えた巫女と売笑行為—我国の性的職業婦人は巫娼に始まる—社会の巫女に対する慣習—巫女の恐れられた三つの理由</small>
* [[日本巫女史/総論/第四章/第四節|第四節 巫女に関する慣習的材料]]<br /><small>巫女自身に関する慣習—女性は霊媒者たる素質を有す—盲女と巫術—女子相続制の起原—巫女の性的方面に関する慣習—巫女は神と結婚するのが原則—随って良人は持てぬ筈—神寵の衰えた巫女と売笑行為—我国の性的職業婦人は巫娼に始まる—社会の巫女に対する慣習—巫女の恐れられた三つの理由</small>


[[Category:中山太郎]]
[[Category:中山太郎]]

2009年8月26日 (水) 11:57時点における最新版

日本巫女史

総論

第四章 巫女史の材料と其採集方法[編集]

巫女史は、各種の学問に関係を有しているので、その材料の如きも、寧ろ多きに過ぎはせぬかと予想したのであるが、さて、それ等の材料を蒐集して見ると、此の予想は全く裏切られて、却ってその乏しきに一驚を喫した。これは勿論、私の寡聞と、尚渉猟の足らぬことに由来するのであるが、今のところでは奈何にもすることが出来ぬので、不十分な材料を以て、自ら揣らず、敢て此の稿を起した。而して私が、本史に採用した材料は、(一)巫女の遺跡から得たもの、(二)巫女の使用した遺物から得たもの、(三)巫女に関する記録、(四)学友に設問して得たる報告又は談話、(五)巫女に関する慣習等であった。以下これに就いて、猶お詳しく記述したいと思う。

  • 第一節 巫女の遺跡的材料
    集団生活地たる巫女村—信州の禰津村は日本一—大阪の天王寺と江戸の亀井戸—巫女が開拓した村落—これも決して尠く無い—巫女関係の神社と寺院—巫女の化石伝説
  • 第二節 巫女の遺物的材料
    巫女の使用した遺物—外法箱と梓弓—イラタカの珠数と切り珠数—巫女に関する墓碑—常人と異る法名—巫女の呪言を留めた蓄音器のレコード
  • 第三節 巫女の記録的材料
    直接的と間接的との史料—巫女に関する雑誌と新聞の記事—未見曾識の学友から集めた資料—持つべき者は友人だ
  • 第四節 巫女に関する慣習的材料
    巫女自身に関する慣習—女性は霊媒者たる素質を有す—盲女と巫術—女子相続制の起原—巫女の性的方面に関する慣習—巫女は神と結婚するのが原則—随って良人は持てぬ筈—神寵の衰えた巫女と売笑行為—我国の性的職業婦人は巫娼に始まる—社会の巫女に対する慣習—巫女の恐れられた三つの理由