「日本巫女史/総論/第四章/第一節」の版間の差分
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漂泊を続けて来た巫女が、その生活に倦怠を感じ、背に負いたる笈を、神箱に托して土に下ろして、芝を起し、草分けとなった村落もある。更に、巫女が開墾したので、その土地を<ruby><rb>神子垣内</rb><rp>(</rp><rt>ミコカイト</rt><rp>)</rp></ruby>と称する地方もあり、巫女の居所をイタコ屋敷と云う土地もあり、巫女が呪術を行うた場所を<ruby><rb>神子塚</rb><rp>(</rp><rt>ミコヅカ</rt><rp>)</rp></ruby> | 漂泊を続けて来た巫女が、その生活に倦怠を感じ、背に負いたる笈を、神箱に托して土に下ろして、芝を起し、草分けとなった村落もある。更に、巫女が開墾したので、その土地を<ruby><rb>神子垣内</rb><rp>(</rp><rt>ミコカイト</rt><rp>)</rp></ruby>と称する地方もあり、巫女の居所をイタコ屋敷と云う土地もあり、巫女が呪術を行うた場所を<ruby><rb>神子塚</rb><rp>(</rp><rt>ミコヅカ</rt><rp>)</rp></ruby>と称して保存した地方もあり、此の外に、巫女を人身御供として水底に葬った場所とか、巫女が行路に死をを遂げて祟りをするので塚を築いたとかいう種のものも、各地に渉って相当に存している。而して是等の一々が巫女史の材料として相当に役立っている事は言う迄もない。 | ||
'''三 巫女関係の神社と寺院''' | '''三 巫女関係の神社と寺院''' |
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第一節 巫女の遺跡的材料[編集]
一 集団生活地たる巫女村
江戸期に編纂された地誌類を繙くと、各地に
二 巫女が開拓した村落
漂泊を続けて来た巫女が、その生活に倦怠を感じ、背に負いたる笈を、神箱に托して土に下ろして、芝を起し、草分けとなった村落もある。更に、巫女が開墾したので、その土地を
三 巫女関係の神社と寺院
巫女の最初は神それ自身であり、降って神と人との間に立つ霊媒者となったが、何れにしても、巫女が神性を多分に有していたことは明白である。従って、これ等の巫女が、或は神妻として、又は神母として、神に祭られ、社に斎かれるのは少しも不思議はない。各地に残っている
四 巫女の化石伝説
我国には巫女が化石したという伝説が各地にあって、然もその化石なるものが、今に残っている。巫女が多く化石したという伝説を生むに至った理由に就いては、後段に詳述する機会もあろうと思うので、ここには略すが、猶お化石せぬまでも、