日本巫女史/第二篇/第三章
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第三章 巫女の信仰的生活と性的生活
- 第一節 巫女を中心として見たる神々の起伏
琉球神のイベ名の研究—ノロは神の名を創作する—我が内地には斯かる事はないか—琉球における神の高下とノロの関係—八幡社は我国第一の託宣好き—奈良の手向山八幡宮の縁起—地方神から全国神へ - 第二節 御子神信仰の由来と巫女の位置
神名帳に現われた巫女神—同帳に載せた御子神—御子神と若宮との関係—合理化そうとする若宮出現の解釈—鹿島神三十余裔の御子神を如何にする—神母と巫女—神妻と巫女 - 第三節 社会相に現われたる巫女の勢力
新知識の山上憶良と巫祝—大政治家の吉備真備と巫覡—政治方面における巫女の勢力—軍事方面における巫女の勢力—信仰方面における巫女の勢力—桓武帝の崩御を予言した巫女—鬼道を悦んだ民間の帰趨 - 第四節 巫女を通じて行われた神の浄化
上代における神と仏の歩み合い—超道徳的であった我国の神々—それが道徳的に浄化された過程と仏教の関係—その浄化の役目を勤めたのが巫女—これが日本霊異記以来の伝統的の運動 - 第五節 神妻より巫娼への過程
一夜妻の正体—祭礼の夜だけ神に占められる家族的巫女—一時女臈と一夜官女—琉球のイザイホウと称する処女の試験法—筑摩の鍋被り祭も元はこれ—民間伝承に残った西行橋の由来—巫娼の宗家であった猨女君—浮世の果は皆小町の采女達—乙女は悉く娼婦たりし民俗—琉球に残存せる巫娼の伝説と事実—神社中心に発達した遊郭—神社の祭礼に遊女の参加する理由—神に祭られた巫娼と遊女—此の遺風は熊野比丘尼に残る - 第六節 采女制度の崩壊と巫女の堕落
藤原氏の放漫政策と采女の廃止—支配階級の放縦と民衆の困憊—国造と神主の漁色と制禁—巫女の堕落と巫部連の改姓問題—巫女漸く社会から軽視さる - 第七節 女系相続制と巫女堕落の関係
巫女堕落の四原因—時勢と環境とが淫靡であったこと—巫女の信仰が衰えたこと—給分を失い収入の減じたこと—女系相続を強いられたこと—独身を原則とした巫女には子の無い筈—姪に譲る掛馬式の相続法—神に占められる為めに親子の縁切り—童貞受胎の真相は是れ—亭主は有れども無きが如し—巫女の性生活が一番厄介な問題である