日本巫女史/第一篇/第二章

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日本巫女史

第一篇 固有呪法時代

第二章 巫女の呪術の目的と憑き神

我が古代において、巫女が行うた呪術は、その目的にも、種類にも、更に方法にも、幾多の異ったものがあったように想われるが、今日からは、文献学的にも、民俗学的にも、それを詳しく知ることの出来ぬのは誠に遺憾である。記・紀その古典を読んで見ても、原始神道なるものには、幾つかの異流と分化とが在ったように考えられるが、国家が、民族統一の目的を以て、神道を固定させ、代々の神祇官や、和学者なるものが、此の意を承けて、専ら神道の整理と、神祇の淘汰を行い、祭儀の中から呪術的の分子を除去し、これに代えるに合理的の事由を補足するに努めたので、遂にかかる結果を見るようになったのである。而して茲には、原始期に行われた巫女の呪術の目的、及び巫女がその目的を遂行するに必要であった憑き神に就いて記述する。

  • 第一節 巫女の行いし呪術の目的と種類
    巫女の呪術の目的—第一は自然を制御し又は支配すること—第二は神又は精霊を善用し悪用し又は征服すること—第三は霊魂を鎮め又は和めること—第四は未来を洞察して招福除災すること—此の目的を遂行するための諸種の呪術
  • 第二節 巫女の有せる憑き神の源流
    憑き神は呪術の原動力—民俗学的に見た我国の神々の発達—氏神から国家神—壱岐に残ったヤボサ信仰—ヤボサは墓地—墓の土が呪力の源泉—尾先狐も犬神も元は巫女の憑き神