「日本巫女史/第一篇/第二章/第二節」を編集中
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然るに、文献の上から見ると、巫女は古くから「卜庭二神」として太詔戸神と櫛真知神とを私の謂う憑き神の意味で奉持していたように考えさせるのである〔一四〕。併しながら、私の信ずるところでは、前者の太詔戸神は祝詞の神格化されたもの、後者の櫛真知神は波々加木の神格化されたもののように考えられるし、殊に此の両神は巫女の神というよりは、男覡の神として見るべきもののように思われる。而してその詳細は、次の[[日本巫女史/第一篇/第三章|第三章]]に記述するゆえ参照を乞うとするが、私にはそう考えることの決して無稽でないと信じられる点が存するのである。 | 然るに、文献の上から見ると、巫女は古くから「卜庭二神」として太詔戸神と櫛真知神とを私の謂う憑き神の意味で奉持していたように考えさせるのである〔一四〕。併しながら、私の信ずるところでは、前者の太詔戸神は祝詞の神格化されたもの、後者の櫛真知神は波々加木の神格化されたもののように考えられるし、殊に此の両神は巫女の神というよりは、男覡の神として見るべきもののように思われる。而してその詳細は、次の[[日本巫女史/第一篇/第三章|第三章]]に記述するゆえ参照を乞うとするが、私にはそう考えることの決して無稽でないと信じられる点が存するのである。 | ||
巫女の憑き神も時勢と共に推し移るのは当然である。古い巫女の面影を濃厚に残していると思われる奥州のイタコの憑き神は、十三仏中の一仏であり、飯縄遣いとか、稲荷下げとか言われた巫女の憑き神は狐であった。犬神、猫神蛇神の如きも、悉く巫女の憑き神として発生したものに外ならぬのである。 | |||
; 〔註八〕 : 神道学者のうちには、氏神と祖霊神とを区別して説く論者もあるが、私には此の区別は発達的には言い得るかも知れぬが、発生的には無意味だと考えている。 | ; 〔註八〕 : 神道学者のうちには、氏神と祖霊神とを区別して説く論者もあるが、私には此の区別は発達的には言い得るかも知れぬが、発生的には無意味だと考えている。 |