「日本巫女史/第一篇/第八章/第五節」を編集中
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; 〔註一〕 : 増補語林「倭訓栞」の附録「桑家漢語抄」(中山曰。此の書は和名抄に引ける揚氏漢語抄とは異るも、同抄の序に載せたる其余の漢語抄の一なるべしとの説がある)巻三に、「幣、沼佐、可書貫棒、有可神納、則都良奴幾佐々具流之義也」とあるように、幣の本質は、相当に容量において、多く、品質において種々なるものが在ったと見るべきであって、現今の幣束は幣の後身ではあるが、これを以て古代のそれを推すことは出来ぬのである。 | ; 〔註一〕 : 増補語林「倭訓栞」の附録「桑家漢語抄」(中山曰。此の書は和名抄に引ける揚氏漢語抄とは異るも、同抄の序に載せたる其余の漢語抄の一なるべしとの説がある)巻三に、「幣、沼佐、可書貫棒、有可神納、則都良奴幾佐々具流之義也」とあるように、幣の本質は、相当に容量において、多く、品質において種々なるものが在ったと見るべきであって、現今の幣束は幣の後身ではあるが、これを以て古代のそれを推すことは出来ぬのである。 | ||
; 〔註二〕 : | ; 〔註二〕 : 「ゐやじり」の語に、「文徳実録」天安元年二月乙酉改元の宣命に「礼代乃大幣帛乎令棒持」と見え、「三代実録」貞観三年五月十五日の新雨の告文に「礼代乃大幣帛乎令棒持」とある。而して是等の記事には、やや「ゐやじり」が第二義的の御礼の意味に使用されている。 | ||
; 〔註三〕 : 荷前の起原に就いては、伴翁の記事細註に引ける「皇代略記」持統天皇段裡書に、荷前事初此代云々とあるが、これは伴翁も言われた如く、単にこれだけでは、徴証が不充分であるばかりでなく、「万葉集」巻二に、久米禅師の歌として「東人の荷前の箱の荷の緒にも、妹がこころに乗りにけるかも」とあり、然も此の禅師は、持統朝より古き天智朝の人であるから、その起原はずっと以前に在ったと見るべきである。 | ; 〔註三〕 : 荷前の起原に就いては、伴翁の記事細註に引ける「皇代略記」持統天皇段裡書に、荷前事初此代云々とあるが、これは伴翁も言われた如く、単にこれだけでは、徴証が不充分であるばかりでなく、「万葉集」巻二に、久米禅師の歌として「東人の荷前の箱の荷の緒にも、妹がこころに乗りにけるかも」とあり、然も此の禅師は、持統朝より古き天智朝の人であるから、その起原はずっと以前に在ったと見るべきである。 | ||
; 〔註四〕 : 前に引用したことのある伊波普猷氏の「おもろさうし選釈」に拠る。猶お同書によれば、「おもろ」の中には、此の外にも覡や、<u>よた</u>(下級の巫女)や、<u>のろ</u>(巫女)の連中が租税を取立てるのを謡ったものがあるとのことである。 | ; 〔註四〕 : 前に引用したことのある伊波普猷氏の「おもろさうし選釈」に拠る。猶お同書によれば、「おもろ」の中には、此の外にも覡や、<u>よた</u>(下級の巫女)や、<u>のろ</u>(巫女)の連中が租税を取立てるのを謡ったものがあるとのことである。 | ||
; 〔註五〕 : | ; 〔註五〕 : 本庄栄次郎氏の「日本経済史」租税の起原の条に、「日本書紀」の一書にある天照神が、天児屋、太玉の両命に勅して「吾が高天原に御す斎庭の穂を以て亦吾が児に御せまつる」とあるのや、「神武記」の「贄持」を租税と見られているが、私には後者は兎に角として、前者は遂に左袒することが出来ぬので、わざと執らぬこととした。 | ||
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