「日本巫女史/第二篇/第二章/第四節」を編集中
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弘安年中に僧無住の書いた「沙石集」は、鎌倉期の世相を考覈するには、有要なる史料で満たされている。その巻七「無嫉妬之心人ノ事」と題する記事の末節に、 | 弘安年中に僧無住の書いた「沙石集」は、鎌倉期の世相を考覈するには、有要なる史料で満たされている。その巻七「無嫉妬之心人ノ事」と題する記事の末節に、 | ||
: 或る山の中にて、<ruby><rb>山伏</rb><rp>(</rp><rt>ヤマブシ</rt><rp>)</rp></ruby>と<ruby><rb>巫女</rb><rp>(</rp><rt>ミコ</rt><rp>)</rp></ruby>と往きあひて物語しけるが、人もなき山中にて凡夫のならひなれば、愛欲の心起りて、此<u>みこ</u>におちぬ、此<u>みこ</u> | : 或る山の中にて、<ruby><rb>山伏</rb><rp>(</rp><rt>ヤマブシ</rt><rp>)</rp></ruby>と<ruby><rb>巫女</rb><rp>(</rp><rt>ミコ</rt><rp>)</rp></ruby>と往きあひて物語しけるが、人もなき山中にて凡夫のならひなれば、愛欲の心起りて、此<u>みこ</u>におちぬ、此<u>みこ</u>山沢の水にて垢離かきて、鼓を鼕々とうち、珠数おしすりて「熊野白山三十八所、猶もかゝる目にあはせ給へ」と祈りけり。山伏又垢離かきて、珠数おしすりて「魔界の所為にや、かゝる悪縁にあひて不覚を仕りぬる。南無悪魔降伏不動明王、今はさてあれと制させ給へ」と云て、二人行き別れにけり。 | ||
と載せてある。而して此の記事は、少くとも、(一)両者が同じように信仰生活に処したこと、(二)且つ同じように漂泊生活を営んでいたこと、(三)然も同じように性行為に就いては、多少とも世間をかねる境遇に置かれていたことの三つの暗示を与えているのである。 | と載せてある。而して此の記事は、少くとも、(一)両者が同じように信仰生活に処したこと、(二)且つ同じように漂泊生活を営んでいたこと、(三)然も同じように性行為に就いては、多少とも世間をかねる境遇に置かれていたことの三つの暗示を与えているのである。 |