「日本巫女史/総論/第三章」を編集中
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== | ==第三章 日本巫女史学の沿革と其史料== | ||
記・紀の神代巻には、巫女の熟語は見当らぬ。それでは、我国の神代には巫女は無かったかというに、これは決してそうではない。巫女という熟語こそ見当らぬが、実質的に巫女であった神々、及びその神々が行うた呪術なるものは、立派に存在している。殊に記・紀に比較すると、記述した年代も降り、且つ官撰ではないけれども、「古語拾遺」に神代の事を記した条に「片巫、肱巫」の二種の巫女の名が挙げてあるところから推すと、巫女が神代から在ったことは明白である。然らば、これ等の巫女、又は巫女の呪術、及び巫女の生活等に関する研究は、記・紀または古語拾遺等の研究と共に、相当、先覚の間に尽されているべき筈であるのに、事実はこれに反して、一向に纏ったものが残されていぬのである。 | 記・紀の神代巻には、巫女の熟語は見当らぬ。それでは、我国の神代には巫女は無かったかというに、これは決してそうではない。巫女という熟語こそ見当らぬが、実質的に巫女であった神々、及びその神々が行うた呪術なるものは、立派に存在している。殊に記・紀に比較すると、記述した年代も降り、且つ官撰ではないけれども、「古語拾遺」に神代の事を記した条に「片巫、肱巫」の二種の巫女の名が挙げてあるところから推すと、巫女が神代から在ったことは明白である。然らば、これ等の巫女、又は巫女の呪術、及び巫女の生活等に関する研究は、記・紀または古語拾遺等の研究と共に、相当、先覚の間に尽されているべき筈であるのに、事実はこれに反して、一向に纏ったものが残されていぬのである。 |