「日本巫女史/総論/第五章」を編集中
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'''第五 民間伝承学''' | '''第五 民間伝承学''' | ||
これは従来「伝説」又は「口碑」という名でよばれていたもので、厳密なる学問上の分類から云えば、当然、民俗学の一文科として加うべきものであるが、今は記述の便宜のままに独立して取扱うとした。而して民間伝承学が、巫女史の補助学科として、如何なる点に交渉を有しているかというに、それは相当に広い方面に渉っているが、ここに一例を示すと、各地に小野ノ小町または和泉式部(是等は共に巫女を斯く称したので、その事由は本編に述べる)の化粧水という民間伝承が残っている。併しこれを巫女史の立場から見る時は、古く巫女が水を利用して、呪術を行うたことに、由来していることが判然するのである。従って民間伝承学は、巫女史に種々なる寄与をしているのである。而してこれに就いては、古いものでは「日本霊異記」、「今昔物語」、「古今著聞集」などを主なるものとし、新しいものでは故高木敏雄氏の「日本伝説集」、藤沢衛彦氏の「日本伝説叢書」を始め、佐々木喜善氏の「老媼夜譚」及び「炉辺叢書」中の数種を挙げることが出来る。 | |||
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