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**** [[日本巫女史/第二篇/第三章/第一節|第一節 巫女を中心として見たる神々の起伏]]<br /><small>琉球神のイベ名の研究—ノロは神の名を創作する—我が内地には斯かる事はないか—琉球における神の高下とノロの関係—八幡社は我国第一の託宣好き—奈良の手向山八幡宮の縁起—地方神から全国神へ</small> | **** [[日本巫女史/第二篇/第三章/第一節|第一節 巫女を中心として見たる神々の起伏]]<br /><small>琉球神のイベ名の研究—ノロは神の名を創作する—我が内地には斯かる事はないか—琉球における神の高下とノロの関係—八幡社は我国第一の託宣好き—奈良の手向山八幡宮の縁起—地方神から全国神へ</small> | ||
**** [[日本巫女史/第二篇/第三章/第二節| | **** [[日本巫女史/第二篇/第三章/第二節|第二節 巫女神信仰の由来と巫女の位置]]<br /><small>神名帳に現われた巫女神—同帳に載せた御子神—御子神と若宮との関係—合理化そうとする若宮出現の解釈—鹿島神三十余裔の御子神を如何にする—神母と巫女—神妻と巫女</small> | ||
**** [[日本巫女史/第二篇/第三章/第三節|第三節 社会相に現われたる巫女の勢力]]<br /><small>新知識の山上憶良と巫祝—大政治家の吉備真備と巫覡—政治方面における巫女の勢力—軍事方面における巫女の勢力—信仰方面における巫女の勢力—桓武帝の崩御を予言した巫女—鬼道を悦んだ民間の帰趨</small> | **** [[日本巫女史/第二篇/第三章/第三節|第三節 社会相に現われたる巫女の勢力]]<br /><small>新知識の山上憶良と巫祝—大政治家の吉備真備と巫覡—政治方面における巫女の勢力—軍事方面における巫女の勢力—信仰方面における巫女の勢力—桓武帝の崩御を予言した巫女—鬼道を悦んだ民間の帰趨</small> | ||
**** [[日本巫女史/第二篇/第三章/第四節|第四節 巫女を通じて行われた神の浄化]]<br /><small>上代における神と仏の歩み合い—超道徳的であった我国の神々—それが道徳的に浄化された過程と仏教の関係—その浄化の役目を勤めたのが巫女—これが日本霊異記以来の伝統的の運動</small> | **** [[日本巫女史/第二篇/第三章/第四節|第四節 巫女を通じて行われた神の浄化]]<br /><small>上代における神と仏の歩み合い—超道徳的であった我国の神々—それが道徳的に浄化された過程と仏教の関係—その浄化の役目を勤めたのが巫女—これが日本霊異記以来の伝統的の運動</small> |
2009年8月26日 (水) 12:54時点における最新版
- 目次
- 巻頭小言
- 総論
- 第一章 巫女史の本質と学問上の位置
- 第一節 巫女の種類と其名称
巫女の二大分類—第一は神和系に属する神子の名称—古今に渉り約二十六—第二は口寄系に属する市子の俚称—各地に亘り約四十三—まだ此の外にも十数種ある - 第二節 巫女史の意義と他の学問との関係
巫女史の研究は他の多くの学問に交渉を有つ—巫女史という名称に就いて—巫女史の内容と其の範囲—巫女史と政治史との関係—巫女史と祭祀史との関係—巫女史と呪術史との関係—巫女史と文学史との関係—巫女史と経済史との関係—巫女史と売笑史との関係—巫女史と法制史との関係—巫女史と原始神道史との関係その他 - 第三節 巫女史の学問上に於ける位置
文化史に於ける巫女史の地位—原始神道に於ける巫女史の地位—民俗学に於ける巫女史の地位
- 第一節 巫女の種類と其名称
- 第二章 巫女史の研究方法
史料は出来るだけ多く蒐集—史料は厳重に批判して採択—史料の整理と其の解釈—史料の分類上の注意—史論の構成と其の表現法 - 第三章 日本巫女史学の沿革と其の史料
記紀の神典に巫女の名は見えぬ—併し巫女その者は存在した—古語拾遺に現われた片巫と肱巫—黎明期に於ける巫女史学の概観—室町期に於ける巫女史学の概観—江戸期に於ける巫女史学の概観—明治期に於ける巫女史学の概観 - 第四章 巫女史の材料と其の採集方法
- 第一節 巫女の遺跡的材料
集団生活地たる巫女村—信州の禰津村は日本一—大阪の天王寺と江戸の亀井戸—巫女が開拓した村落—これも決して尠く無い—巫女関係の神社と寺院—巫女の化石伝説 - 第二節 巫女の遺物的材料
巫女の使用した遺物—外法箱と梓弓—イラタカの珠数と切り珠数—巫女に関する墓碑—常人と異る法名—巫女の呪言を留めた蓄音器のレコード - 第三節 巫女の記録的材料
直接的と間接的との史料—巫女に関する雑誌と新聞の記事—未見曾識の学友から集めた資料—持つべき者は友人だ - 第四節 巫女に関する慣習的材料
巫女自身に関する慣習—女性は霊媒者たる素質を有す—盲女と巫術—女子相続制の起原—巫女の性的方面に関する慣習—巫女は神と結婚するのが原則—随って良人は持てぬ筈—神寵の衰えた巫女と売笑行為—我国の性的職業婦人は巫娼に始まる—社会の巫女に対する慣習—巫女の恐れられた三つの理由
- 第一節 巫女の遺跡的材料
- 第五章 巫女史の補助学科と其の態度
巫女史は文化史の一分科—巫女史と言語学—巫女史と古文書学—巫女史と考古学—巫女史と民俗学—巫女史と民間伝承学 - 第六章 日本巫女史の時代区分法
時代によって区分するか—職程によって区分するか—地方によって区分するか—新に試みた区分法—固有呪法時代—神代より応神朝に至る—習合呪法時代—仁徳朝より正親町朝に至る—退化呪法時代—正親町朝より昭和の現代に至る
- 第一章 巫女史の本質と学問上の位置
- 第一篇 固有呪法時代
- 第一章 原始神道に於ける巫女の位置
- 第一節 我国に於ける神の発生と巫女
神の始めの相はデーモン—病魔から死魔へ—諾尊の神業と呪術—呪物が示した古代の食料—デーモンからスピリットへの過程—神聖観念としての我国の稜威—個人的の精霊から社会的の神への発達—その中間の部族の守護神—我が古代の社会は呪術集団が単位である - 第二節 我国に於ける巫女の発生
我国の呪術先行論と宗教先在説—呪術よりは宗教的意識が先きに在る—巫女の始めは菊理媛命—家族的巫女と職業的巫女—オナリは家族的巫女—古代の女性は悉く巫女的生活を営む—琉球に残りしオナリ神信仰 - 第三節 巫女教としての原始神道
原始神道とシャーマン教—山路愛山氏の卓見—併し原始神道はシャーマン教その儘ではない—古神道に現われた国民性—祖先崇拝と神の御杖代 - 第四節 原始神道及び古代社会と巫女との関係
魏志の倭人伝に載せた卑弥呼—卑弥呼は倭媛か神功皇后か—それよりは更に古代の女酋—倭人国に於ける主権者と巫女との関係—祭政一致の標本である - 第五節 古代人の死後生活観と巫女の霊魂観
霊魂不滅は古代からの信仰—霊と肉との二元観—荒魂、和魂、幸魂、奇魂—是等に対する先覚の研究と私見—巫女の生口と荒魂—同じ死口と和魂—巫女の神口と幸奇の二魂
- 第一節 我国に於ける神の発生と巫女
- 第二章 巫女の呪術の目的と憑き神
- 第一節 巫女の行いし呪術の目的と種類
巫女の呪術の目的—第一は自然を制御し又は支配すること—第二は神又は精霊を善用し悪用し又は征服すること—第三は霊魂を鎮め又は和めること—第四は未来を洞察して招福除災すること—此の目的を遂行するための諸種の呪術 - 第二節 巫女の有せる憑き神の源流
憑き神は呪術の原動力—民俗学的に見た我国の神々の発達—氏神から国家神—壱岐に残ったヤボサ信仰—ヤボサは墓地—墓の土が呪力の源泉—尾先狐も犬神も元は巫女の憑き神
- 第一節 巫女の行いし呪術の目的と種類
- 第三章 巫女の用いし呪言と呪文
- 第一節 古代人の言霊信仰と其過程
呪言と呪文との区別—言語の有した威力—言語のタブーと忌詞—善言と悪言—寿辞と凶辞—言霊の幸う国—言霊学の正体 - 第二節 祝詞の呪術的分子と呪言の種類
祝詞の本質は呪文—祝言から祝詞へ—呪言より呪文へ—トゴヒ—ノロヒ—カジリ—ウケヒ—オヨヅレゴト - 第三節 言霊の神格化と巫女の位置
我国最古の呪術は太占—太占と巫女—太詔戸命は言霊の神格化—天津祝詞の太詔詞とは何か—これに関する先覚の研究—類聚神祇本源に載せた太詔詞の解釈—太詔詞は呪文に外ならぬ—太詔戸命と亀津比女命との関係—亀津比女は即ち巫女である - 第四節 宣託と祝詞と巫女の関係
祝詞の発生は神から人への宣命—それが今では反対に人から神への願文—祝詞は即ち詔命—祝詞と託宣との関係—神語は託宣—後世まで残った返し祝詞の意義
- 第一節 古代人の言霊信仰と其過程
- 第四章 巫女の呪術に用いし材料
- 第一節 呪術の材料としての飲食物
米と水—塩と川奈—酒も飴も蒜も蓬も—追儺の豆もそれである - 第二節 呪術のために発達した器具
玉と鏡—剣と比礼—櫛もそれである—幡や幟や幣は言うまでも無い - 第三節 呪術に用いし排泄物
血液と唾液—尿と糞—是等の物は今に呪力ありと信ぜらる—民俗の永遠性を考えよ - 第四節 呪術用の有機物と無機物
笹葉と賢木—樺の木と葦—ししとミコドリ—鵜と蟹—石と土—灰も又呪力があった
- 第一節 呪術の材料としての飲食物
- 第五章 巫女の作法と呪術の種類
- 第一節 巫女の呪術的作法
種々なる作法も今は伝わらぬ—その中で逆手を打つこと—跳躍することだけは明白に知られる - 第二節 顕神明之憑談としての呪術
天磐戸前の鈿女命の動作—巫女としての最古の記録—神遊びとは何か—天照神の磐戸隠の真相—死者の面を見ては遊ぶ民俗—あな面白の語義は即ちこれ - 第三節 鎮魂祭に現われたる呪術
生魂に対する鎮魂祭—死霊に対する鎮魂祭—猨女君の伝統と比自岐和気の伝統—鎮魂と招魂との区別—文字で区別されても実際は—鎮魂と復との関係—鎮魂祭に唱える呪文—平田翁の宮比神伝記と翁一流の解釈 - 第四節 憑るべの水系の呪術
水の有てる神秘—久延毘古の神と観水呪術—白鳥庫吉氏の卓見—憑るべの水とは何か—神功皇后の観水呪術—観水呪術から水晶呪術へ—南宮神社の剣珠と神功皇后—水鏡天神の由来—小野小町の姿見池と和泉式部の化粧水の考証—熱田神宮の揚貴妃の正体—菖蒲前も又巫女である—九州に残った巫女の水占い - 第五節 性器を利用した呪術
我国の性器崇拝は神代から—天鈿女命先ず其の範を示す—古語拾遺に載せたオバセカタ—祭式舞踊に現われた性器崇拝の俗信—陰毛の長い神と生命の指標としての毛髪
- 第一節 巫女の呪術的作法
- 第六章 巫女の性格変換と其の生活
- 第一節 神人生活と性格の変換
巫女は独身を原則とする—卑弥呼に夫婿なきも是れが為め—伊勢神宮の子良と母良—鹿島神宮の御物忌—竹野社の斎女—巫女は神と結婚—白羽の矢の原義は何か - 第二節 人身御供となった巫女
人身御供は何故に女性に限るか—人身御供は考古学的にも証明出来る—巫女が人身御供になる理由と其の例証—機織池伝説の由来と巫女—オサメというは巫女の名 - 第三節 巫女の私生活は判然せぬ
古代の巫女の修行や師承関係や収入などは一切判然せぬ—勿論これは著者の寡聞の罪だが致し方がない—神社附属の神子と村落に土着した市子—詳細の研究は後賢に俟つ
- 第一節 神人生活と性格の変換
- 第七章 精神文化に於ける巫女の職務
- 第一節 神その者としての巫女
巫女の発生はオナリ神—オナリは神その者である—天照神の民俗学的研究は無条件では許されぬ—琉球久高島のノロの神としての生活—折口信夫氏の記事により卑弥呼の再吟味—民族国家の成立と巫女の関係—古代の家族相婚と同胞の位置—妻のことを吾妹子という理由 - 第二節 司祭者としての巫女
神々の向上と巫女の退化—巫女は神託を宣べるときだけが神となる—墓前祭と巫女の職務—巫祝をハフリと称する原義—屍体を屠るは巫女の役目—ハフリは屠りに外ならぬ—内地の支解分葬の実例とアイヌ族のウフイ—夢によって知った霊魂の所在—瓢型墳の由来と瓢を魂の容れ物とした俗信—霊魂の神への発達と巫女—人家七世にして神を生ずる事—土佐で行われたタテ食えの神事—我国の紋章の起原とアイヌの神標—人が神となったことを知る民俗—琉球に存したマブイワカシと内地の口寄せ—社前祭と巫女の職務—巫女が軽視されて覡男が重用された過程 - 第三節 霊媒者としての巫女
神を招き降ろす方法—日本紀に現われた神功皇后の御事蹟—征韓のために神意を問われた作法—神主の古い意味—神主は直ちに神実である—信州諏訪社の大祝—出雲大社の国造—琴と鈴の音は神の声—神依板は琴の代用品—審神とは後世の巫女の問口—我国最古の神降ろしの呪歌—託宣は韻文的の律語で表現される - 第四節 予言者としての巫女
予言は巫女の重要なる職務—狭義には神が憑ってする予言—広義には他人の歌謡や行動を見聞してする予言—崇神紀に載せた百襲姫命の御事 - 第五節 文学の母胎としての巫女
和歌は天にしては下照姫に始まると貫之が言うたが—その下照姫は巫女であった—我国の文学は巫女が開祖—神託は古く歌謡体であった—その例証は沢山に残されている—叙事詩の古いものが一人称である理由—即ち神として宣べたからである—アイヌのユカラでも琉球のオモロでも同じである - 第六節 民俗芸術者としての巫女
舞踊者としての巫女—俳優の始めは鈿女命の所作に始まる—ワザオキの神事上の意義—木偶遣いとしての巫女—肥前風土記に見えた人形—巫女の外法箱に秘めた人形—黥面文身の施術者としての巫女—神の名によって行われた民俗
- 第一節 神その者としての巫女
- 第八章 物質文化に於ける巫女の職務
- 第一節 戦争に於ける巫女
アイヌ族も戦争には女が従う—琉球には女は戦の魁という諺がある—内地でも戦争に巫女は附きもの—物部氏と巫女との関係—武士をモノノフと云う原義と物識りの由来—戦争の前途を占う巫女—敵兵を呪詛する巫女—士気を鼓舞する巫女—武力の戦いの先に呪力の戦い—御陣女臈としての巫女—桂姫の陣中における任務 - 第二節 狩猟に於ける巫女
我国にも狩猟時代はあった—民間信仰の山ノ神の正体—三河に残るシャチナンジは女神で狩人の守護神—琉球に在るウンジャミ祭と巫女—鹿待つ君が斎い妻—動物に扮する踊りの起原 - 第三節 農業に於ける巫女
穀神を殺した古代人の信仰—豊宇賀能売命は巫女か—穀神へ人身御供を捧げる—オナリとしての奇稲田媛—原始農業と女子の位置—農業の神事とトツギ祭—穀神の犠牲となるオナリ—穀神に対する古代人の態度—オナリと嫁殺し田の関係—田植に行う泥かけの意義 - 第四節 医術者としての巫女
我国のクスリの語原と巫女—呪術による医療と薬剤を用いる医療—身体を刺傷する医療的呪術—物件を封結する医療的呪術—病魔を驚厭する医療的呪術—神霊の力で病魔を駆除する呪術—供物を薬用とした医療的呪術—薬剤を用いた医療的呪術 - 第五節 収税者としての巫女
男の弓端の調と女の手末の調—ヌサの起原は納税—ミテグラも又それである—巫女の収税はヰヤジリの名で行われた—荷前の制度と収税の関係 - 第六節 航海の守護者としての巫女
持衰と婦人との関係—焼火明神の由来と巫女—御船の神事と巫女—船霊信仰と巫女—水市社前に売卜の巫女
- 第一節 戦争に於ける巫女
- 第一章 原始神道に於ける巫女の位置
- 第二篇 習合呪法時代
- 第一章 神道に習合せる道仏二教
- 第一節 巫女の呪術に現われたる道教の影響
日韓は同祖であり同域である—日支の交通も太古から—姓氏録に載せた夥しき蕃別—古神道に織り込まれた支那上代の信仰—道教思想に養われた呪術—仁徳紀に見えた招魂の記事—巫蠱の輸入と呪術の深刻化—巫女の呪具と道教の影響—巫女の梓弓は外来の呪法—人骨を用いるは巫蠱の思想—複雑せる識神の正体—巫女の間に行われた湯立 - 第二節 巫道に影響した仏法の教相と事相
奈良朝の本地垂跡説—平安朝の神仏一如の信仰—法師巫という巫仏一体の者現わる—巫道に交渉深い台宗と密宗—仏教の促成せる巫女の二潮流—霊魂観の進歩と口寄せ呪術の発達—養老令に見えた僧尼の禁巫—巫女の守護神から帰依仏への過程—後ろ仏とは何か—我国における十三仏の考覈—巫女の縛と不動のから縛—シャーマンの呪法に似通う—仏の供養を巫女が営む—奥州の三崎はなしの民俗—巫女の呪具に現れたる仏教的要素—イラタカの珠数と珠数占—ミコ鳥と時鳥の習合—地蔵経は我国の偽作
- 第一節 巫女の呪術に現われたる道教の影響
- 第二章 修験道の発達と巫道との関係
- 第一節 憑り祈祷に現われた両者の交渉
修験道の一枚招牌の憑り祈祷—護法実と護法附—岩代の火祭と石見の託舞—護因坊とは何か—山伏の憑り祈祷は巫女から学んだか - 第二節 神降の呪文に見えた両者の交渉
憑り尸と葦毛の駒—年中行事秘抄に載せた呪歌—固定した後世の神降しの呪文—呪文は神仏道三つの寄合世帯—山伏に征服された巫女 - 第三節 修験道から学んだ巫女の偶像崇拝
巫女は偶像を持たぬが原則—巫女の始めは神その者であった—人形を持つのは神裔の標識—それが後には偶像を持つ—高野聖の笈と巫女の外法箱の交渉 - 第四節 生活の機構が導いた両者の性的結合
巫女と山伏の信仰生活の共通点—両者とも同じような漂泊者—殊に両者とも性行為には世間を兼ねる—同気は相求め同病は相憐む理法—山伏の妻は概して巫女
- 第一節 憑り祈祷に現われた両者の交渉
- 第三章 巫女の信仰的生活と性的生活
- 第一節 巫女を中心として見たる神々の起伏
琉球神のイベ名の研究—ノロは神の名を創作する—我が内地には斯かる事はないか—琉球における神の高下とノロの関係—八幡社は我国第一の託宣好き—奈良の手向山八幡宮の縁起—地方神から全国神へ - 第二節 巫女神信仰の由来と巫女の位置
神名帳に現われた巫女神—同帳に載せた御子神—御子神と若宮との関係—合理化そうとする若宮出現の解釈—鹿島神三十余裔の御子神を如何にする—神母と巫女—神妻と巫女 - 第三節 社会相に現われたる巫女の勢力
新知識の山上憶良と巫祝—大政治家の吉備真備と巫覡—政治方面における巫女の勢力—軍事方面における巫女の勢力—信仰方面における巫女の勢力—桓武帝の崩御を予言した巫女—鬼道を悦んだ民間の帰趨 - 第四節 巫女を通じて行われた神の浄化
上代における神と仏の歩み合い—超道徳的であった我国の神々—それが道徳的に浄化された過程と仏教の関係—その浄化の役目を勤めたのが巫女—これが日本霊異記以来の伝統的の運動 - 第五節 神妻より巫娼への過程
一夜妻の正体—祭礼の夜だけ神に占められる家族的巫女—一時女臈と一夜官女—琉球のイザイホウと称する処女の試験法—筑摩の鍋被り祭も元はこれ—民間伝承に残った西行橋の由来—巫娼の宗家であった猨女君—浮世の果は皆小町の采女達—乙女は悉く娼婦たりし民俗—琉球に残存せる巫娼の伝説と事実—神社中心に発達した遊郭—神社の祭礼に遊女の参加する理由—神に祭られた巫娼と遊女—此の遺風は熊野比丘尼に残る - 第六節 采女制度の崩壊と巫女の堕落
藤原氏の放漫政策と采女の廃止—支配階級の放縦と民衆の困憊—国造と神主の漁色と制禁—巫女の堕落と巫部連の改姓問題—巫女漸く社会から軽視さる - 第七節 女系相続制と巫女堕落の関係
巫女堕落の四原因—時勢と環境とが淫靡であったこと—巫女の信仰が衰えたこと—給分を失い収入の減じたこと—女系相続を強いられたこと—独身を原則とした巫女には子の無い筈—姪に譲る掛馬式の相続法—神に占められる為めに親子の縁切り—童貞受胎の真相は是れ—亭主は有れども無きが如し—巫女の性生活が一番厄介な問題である
- 第一節 巫女を中心として見たる神々の起伏
- 第四章 巫女の漂泊生活と其の足跡
- 第一節 熊野信仰の隆替と巫道への影響
海内の信仰を集めた熊野神—今に残る蟻の熊野参りの俚諺—熊野神が民間信仰を集めた理由—馴子舞の蔭に隠れた熊野巫女の活躍—絵解き比丘尼から売り比丘尼へ—全国の津々浦々まで足跡を印す—女ならでは夜の明けぬ国 - 第二節 笈伝説に隠れた巫女の漂泊と土着
身体が遽に重くなる—民間に今も行われるおもかるさん—力学では説明の出来ぬ問題—神の啓示と巫女の土着—巫女が草分した二三の村落—飛騨の牛蒡種もその一例 - 第三節 漂泊巫女の代表的人物八百比丘尼
正体の知れぬ八百比丘尼の解剖—林道春の白比丘尼がそれ—室町期に大成された巫女の長寿伝説—足跡天下に普き不思議の人物—手に持った椿は巫女の標識—白比丘尼とはオシラ比丘尼なり
- 第一節 熊野信仰の隆替と巫道への影響
- 第五章 呪術方面に現われた巫道の新義
- 第一節 巫蠱から学んだ憑き物の考察
憑き物と持物筋—オサキ狐クダ狐ジン狐など—狐崇拝と吒吉尼の邪法—蛇神託とトウビョウ—トウビョウは蛇か狐か所で違う—犬神と猫神と狸神—一向宗のオシロ灰—本願寺も飛んだ迷惑—牛蒡種と吸い葛—巫女が恐れられた理由—捜神記と我国の憑き物 - 第二節 奥州に残存せるオシラ神の考察
民俗学会の久しい宿題—オシラ神に関する伝説—オシラ神の神体と装束—オシラ神の語原と其の分布—オシラに就いての五説—オシラ神は古く全国的に存していた—オシラ神のアイヌ説は考えもの—オシラ神は呪神ではない - 第三節 性器利用の呪術と巫女の異相
原始的な毛髪信仰—カカシの語原—陰毛の有てる呪力—藤原道長も是れには驚く—各地に存した七難の揃毛—陰毛の長かった水主明神—仁王信仰と七難即滅の思想—異相は常に神秘を伴う - 第四節 巫女の間に用いられた隠語
隠語は流派で異ると思うが判然せぬ—二三の文献に見えた隠語—巫女は必ず隠語を用いる—是等の隠語の工夫された時代
- 第一節 巫蠱から学んだ憑き物の考察
- 第六章 巫女の社会的地位と其の生活
- 第一節 歌舞音楽の保存者としての巫女
歌占の発達と巫女の詩人的素養—平家物語と安居院神道集—謡曲の題材となった歌占—複雑せる巫女と傀儡女との交渉—新猿楽記の一節—巫女と遊女と傀儡女とは異称一体—巫女の手から鼓を奪った遊女—足柄の神歌と遊女 - 第二節 巫女の給分と其の風俗
神和系の神子の収入は判然するも—口寄系の市子は皆目知れぬ—延喜式に見えた御巫の給分—神鳳抄に載せた子良の粮料—定期の給分よりは臨時の収入が多い—大社附属の神子の生活は裕福であった—鹿島宮の物忌が田一町の寄進—小社の神子は米塩にも事欠く—吾妻鏡に見えた神子所領の条々—巫女の風俗と放ち髪の自由 - 第三節 巫女の流せる弊害と其の禁断
皇極紀に記した巫覡の詐謀—奈良朝における妖巫の跋扈—私教類聚に見えた詐巫の弊害—平安朝には禁巫の法令頻りに降る—野火焼いて尽きず春風吹いて又生ず—巫女の根絶せぬ理由—鎌倉期以降は為政者も遂に匙を投ず
- 第一節 歌舞音楽の保存者としての巫女
- 第一章 神道に習合せる道仏二教
- 第三篇 退化呪法時代
- 第一章 巫道を退化させた当代の世相
- 第一節 巫女の流派と是れに対する官憲の態度
我国の迷信は室町期に集成さる—日本迷信史における黄金時代—江戸期と重刑主義—巫女の流派も混糅されて判然せぬ—紀州熊野系と加賀白山系—丹後に残る梓巫女開祖の伝説—僧寛印のローマンス—武田信玄と甲信二国の神子頭千代女房—戦国の武将は迷信が強い—吉田家支配の神子の特権—山内一豊と神子の取締 - 第二節 関東の市子頭田村家の消長
田村八太夫の出自—信用出来ぬ同家の系図—田村家の由来と神事舞太夫—習合神道と舞太夫の関係—田村家の市子取締とその呪法—市子の修業法と田村家の収入—明治維新と田村家の退転 - 第三節 当山派の修験巫女と吉田家との訴訟
江戸期における市子の所属—田村八太夫支配の者—当山修験派支配の者—信州禰津村の者—奥州のイタコ系の者—此の外に所属不明の者—所属の相違は利害の相違—意外に複雑している市子の所属—訴訟も収入の関係から—修験派の勝利となる
- 第一節 巫女の流派と是れに対する官憲の態度
- 第二章 当代に於ける巫女と其の呪法
- 第一節 文献に現われたる各地の巫女と其の呪法
巫女の堕落と異流淙合—体系を立てることは困難—巫女の持った人形の二種—外法頭を持った巫女—人形を持った巫女—口寄の種類とその作法—生口と死口と神口—手向の水ということ—巫女の唱える神降しの呪文—ユリワカ説教と巫女—イタコのオシラ神の遊ばせ方—オシラ遊びの経文—各地方の市子と其の作法—羽後仙北郡の座頭嚊—陸中東山地方のオカミン—越後三面村の変態的巫術—常陸土浦地方のモリコ—信州の二三の市子と其の作法—大阪市天王寺村の黒格子—紀州地方の算所と巫女の関係—出雲地方の刀自ばなし - 第二節 報告で知り得たる各地の巫女と其の呪法
諸報告に対する著者の態度—奥州のイタコと神附の作法—磐城に残る笹ハタキの呪文—暗示に富んだ貴重の資料—信州禰津の市子の口寄文句—その代表的のもの五種を挙げる—外人の見た巫女の作法とオシラ神—三州刈谷地方の市子と其の作法—美濃太田町附近の市子と作法—近畿地方の市子と性的生活—阿波美馬郡の市子と作法—土佐高知市の市子と其の呪法—筑前直方附近の市子と呪法—是等の諸報告に対する私見 - 第三節 我国随一の巫女村の起伏
角田氏の高示で知った巫女村—飯島花月氏の配慮を仰ぐ—信州の名族滋野氏の末路と巫女頭—禰津村の由来とノノウ小路—ノノウの養成法と抱主との関係—巡業中の収入と生活の一班—ノノウの性的生活と旅女郎—ノノウの階級とその遺物
- 第一節 文献に現われたる各地の巫女と其の呪法
- 第三章 巫女の社会的地位と其の生活
- 第一節 歌謡の伝統者としての巫女
本地物は概して巫女の謡い物—壱岐の巫女と百合若説教—曾我物語も箱根の巫女の謡い物か—盲僧の地神経を読むのも此の影響か—琵琶の発達と盲僧—瞽女の前身は巫女 - 第二節 日陰者としての巫女の生活
男神主の配下となった神子—その存在は有るか無きかの情態—名神大社の神楽巫と配当の訴訟—他の者の収入は推して知るべきのみ—町村土着の市子は全く賤民と化す—修験の妻は概して市子—夫婦共かせぎの有様—教育不弁説に載せた竃払と市子の素行—生きんが為めの身過ぎ世渡り - 第三節 性的職業婦と化した巫女の末路
巫女の売笑は新しい問題ではないが—これは又思い切った堕落振り—神和系の神子も口寄系の市子も—情海を泳ぎ廻った途は一つ—熊野比丘尼と伊勢比丘尼—好色本や読み本の材料となった巫女の售春問題—川柳点に現われた彼等の行動 - 第四節 明治の巫女禁断と爾後の消息
明治維新と復古神道—鈴振神道は第一に槍玉にあがる—神仏分離から廃仏毀釈へ—常軌を逸した運動も時勢のみ—明治六年の梓巫市子の禁止—翌七年にも又もや禁令—併しながら水に浮草の根は絶えず—今に散在する巫女の潜勢力
- 第一節 歌謡の伝統者としての巫女
- 第一章 巫道を退化させた当代の世相
- 結語
- 図版目次
- 挿図目次
- 我国古代の巫女(埴輪土偶)
- 朝鮮咸鏡北道の巫女
- 朝鮮の祭神用の蘇塗
- 朝鮮京城附近の巫女の祈祷
- アイヌのツスを行う扮装
- 朝鮮の巫女の用いる呪具
- 鏡鈴鉾麻布刀など
- 古代の巫女を思わせる現今の神子
- 水占の呪術に用いしと思う剣珠
- 水占を行う巫女揲とら子
- 出雲大社における巫女舞
- 人身御供と巫女
- 御陣女﨟としての橘媛
- 古俗を伝えた桂姫
- 足利水使神社の御影
- 顱頂骨を穿孔せる頭蓋骨
- 諸手船の神事と女裝の航海者
- 梓弓を用いる市子
- 大昔の面影を伝えし神子
- オカミン使用の呪具
- オシラ神を遊せるオカミン
- 中世の高級なる神楽神子
- 祭服を纏いし琉球のズリ(一) (二)
- 美保社の神事と巫女
- 赤間宮へ参拝する遊女
- 熊野の絵解き比丘尼
- 古き相を伝えたオシラ神
- 東北院職人歌合所載の巫女
- 田村八太夫の遺族常子
- 死口を寄せている市子
- 死口を聞いている人々
- 山伏と地しゃ
- 笹ハタキと称する市子
- 新しきオシラ神
- 磐城の笹ハタキ
- 巫女が示した免許状
- 釜払いと称する女祝
- 明治期の高級なる神楽神子
- 仰向笠と称する市子